北岳|キタダケトリカブト
南アルプス北岳山系の固有種で、ほぼここでしか見られないようです。
しかも、北岳山荘に向かうトラバース道限定。
北岳の標高2000m位の所に咲いているのは、ホソバトリカブトだし、
奥多摩の方にあるのはヤマトリカブト。それは、明らかに葉っぱがもっと大きくて切れ込みがあまりありません。
キタダケトリカブトは、葉が繊細に切れ込みが深く、背が大きくなりません。
この写真の株は、驚くほど花付きが良く大きめの株です。
ところで、トリカブトって本当に猛毒なんですね。
学名のAconitumはアコチニンの事で、アコチニンは、植物界での最強の猛毒であり、細胞活動が停止してしまう麻痺作用とありました。
養蜂家もトリカブトの開花期には、採蜜はしないそうです。
おそるべし、アコチニンですね。
見れば見るほど、美しい色と形態なのですが、危険な美しさなのでした。
撮影 18.AUG.2019
北岳|ミヤマハナシノブ
この度、北岳に登ったお目当ては、この花!
ミヤマハナシノブは、ハナシノブ科ハナシノブ属。
南アルプスでは、北岳、鳳凰山。北アルプスでは、清水岳(しょうずだけ)のみの隔離分布で絶滅危惧Ⅱ類(VU:Vulnerable)
北岳の大樺沢二俣あたりから、美しい青空のようなブルーの花びらの花が現れます。
写真だとやや紫が買って見えますが、もっと青みがかった感じがしていました。
学名の caeruleum は、英語ではセルリアンブルーと言う、濃いブルーのことを指すので空色のことのようです。スペイン語ではazul あたりか。
葉っぱもいいです。この羽状複葉が何とも涼しげ!
蕾もたくさんあったので、8月末まで楽しめそうです。
その辺りまで歩くと実は、そこから先は20本ほどあるハシゴが待っていますが、ミヤマハナシノブが咲いていたおかげで、何だか疲れがリセットされる気がします。
それは、全く気のせいですが。
頑張ってハシゴを登れば、そこには、お花畑のトラバース道が待っている。
撮影 18.AUG.2019
北岳|タカネビランジ
夏休みを利用して北岳に登って来たので、美しかった高山植物を数日の間備忘録的に書きたいと思います。
タカネビランジはナデシコ科マンテマ属。
見ての通り大きな薄いピンク色の花びらで、満開の大株はびっしり花がつき、ブーケのよう。
高山植物らしからぬ豪華さなのです。
これが、標高3193mの北岳の頂上に咲いているのです。
何となく、不釣り合いで、誰かが献上したみたいな感じなのです。
たとえガスっていて、楽しみにしていた南アルプスの山々の稜線が見られなかったとしても、
かなり体力が消耗していても、この生命力には心をグッと掴まれます。
撮影 18.AUG.2019
丸太のハシゴを20本位登った所に咲いていた、タカネビランジです。
ガクの色が濃いピンクでとっても美しい!
まだ行った事はありませんが、鳳凰三山の稜線にも咲いているそうです。
白い岩肌の花崗岩の隙間から咲く姿も素敵だそうです。見てみたい!
ところで。
ビランジって変わった名前。
たいていは、日本の花の名前には由来があって、当てはまる漢字があるのですが、インターネットでの検索では、今のところ不明。図書館へ出向き真剣に調べれば分かるだろうか?
意味も不明。ビランジってどういう意味だろう。
ソランジュはビヨンセの妹だけど(笑)
尾瀬ヶ原|ツルコケモモ
コケモモ達の花の季節。ツツジ科スノキ属。
ツルコケモモは英名はクランベリー。crane=鶴(クレイン) berry=ベリー。
ツルコケモモのツルは鶴ではなく、蔓のほうですが。
この写真の日は、雨模様で、鶴が羽ばたいているように花びらが開いていなかったのですが、花が鶴のように見えなくもありません。
8月中旬頃には、紅色の実がなります。食べられますが、自生している実を取って食べたことはないです。
クランベリージュースやドライフルーツとして日本で出回っているのは、ほとんど、北米かカナダ産で、もしかしたら誰かがどこかで栽培して出荷しているかもしれないけれど国産品は見た事はないです。
でも、野生でこうやって生息しているんですね。
クランベリーと言うと、米国人にお呼ばれしたサンクスギビングやクリスマスパーティーのベークドターキーの横に添えてあるソースの思い出があり、家庭によって甘さが違うのだろうけれど、そのお友達の家のレシピはあまり砂糖をたくさん入れないのだとかで、酸味が効いていてとても美味しかったです。最高の組み合わせ!
時々思い出し、ターキーにクランベリーソースかけたのを食べたいのですが、家では作れないし、やはりパーティーに参加するしかないのかな?
尾瀬ヶ原の7月の清々しさと可愛い花の形態やらを書く予定だったのに、なぜか食べ物の事になってしまいました。
前にも、スミレから定食に話が逸れたっけ。
そうだ!
色が似ているし、旬なので紫蘇ジュースを作ろう!
燕岳|コマクサ
高山植物で有名なコマクサ。
この花を初めて見た時は、かなり感動しました。
高山植物を見たいが為に山に登り始めたのは、ここ10年前位からなので、あまり花の名前は知りませんでした、登っているうちに色々な発見がありだんだんと覚えてきたわけですが、無知でもこのコマクサは、高山植物の代表みたいな感じで知っていました。
女王の風格独り占めでした。
この写真でもわかるように砂礫に生えるんです。花崗岩でザリザリの石の傾斜地です。
もちろん冬は雪の下、凍りついたり、強い風にさらされたり、雨で地形は変化し。
こんなに熾烈な環境なので、コマクサがこのザリザリ斜面を独占するわけです。
水分確保法は、こんな小さな花なのに、根は1m以上伸びたりするらしいし、葉も細かく分かれていて、霧をキャッチする。
この荒涼とした砂礫に咲くコマクサ。完結している。
この群生は、燕岳で見られます。
白馬から登る唐松岳の頂上付近でも会えました。
7月の中旬から8月の中旬と花期が長いのもありがたいです。
でも、今年は行かれないかもしれないな。
至仏山|オゼソウ
7月と言えば、雪解けが進み、雪解けとの境界に咲く花々が魅力の月。
今日のお花は、地味に可憐さを主張しているオゼソウです。
オゼソウは、サクライソウ科オゼソウ属。
絶滅危惧Ⅱ類のレッドリストです。
北海道の天塩川上流の問寒別の蛇紋岩地帯と至仏山と谷川岳にのみまれに分布しています。
至仏山では、過去には蛇紋岩ではないところにも生えていたそうですが、今は他の植物が生育しにくい環境の蛇紋岩に逃げてきたようです。
水が浸み出てくるような地質で、ツルツルと滑る岩場です。
これは3年程前に7月中頃に至仏山に登った時の写真です。
他の高山植物達と仲良く咲いています。
オゼソウは8月頭位までは見られると思います。
ここにしか咲かない花に出会うのは、思いがけず虹を見たり、流れ星を発見した時の気持ちとちょっと似ていて嬉しいです。
7月は、天気を選ばないと雲の中を登る事になりますが、足もとは美しいです。
至仏山中腹あたりからの尾瀬ヶ原の池塘はキラキラしていて鏡のよう。
この後は、すごいスピードで雲が流れてきて、下りは道が小川になる土砂降りになりました。
靴の中もガボンガボンに水が入りましたが、結構気持ちよかったです。
雨と言えば、こんな呑気な事を言って申し訳ないくらいに、梅雨前線が停滞してしまっています。
九州や四国の降水量が気になって仕方ありません。
時に自然は酷な事をしてくれます。限度というものがあります。
地球の温暖化のせいなのでしょうか。
大気も海水も全てが微妙なバランスの上に成り立っているのですよね。
奥多摩|コアジサイ
まだまだアジサイの季節。
あちらこちらに瑞々しく咲いていて、今年は雨模様の日が多いせいか美しさが際立っています。
日常にお目にかかっている「紫陽花」は装飾花 (額) を持つ品種改良種で、多種なんですね。近頃どんどん、フォトジェニックになってきています。
お花屋さんで見かけると可愛らしさに感動。
バイカラーのやら、黄緑色の、桜色のコットンキャンディーのようなのまで!
しかし、この写真のコアジサイもなかなか魅力的。
コアジサイは日本固有種で、奥多摩では自生しているのを見かけます。
関東より西に分布しているようです。
園芸種のアジサイのような美しい装飾花を持たないかわりに、とっても良い香りを周囲に振りまき昆虫を集めます。
”なかなかやるな”とおもいます。
この時期、トレッキングをしていて、ふわっと爽やかで甘い香りがしたらおそらくコアジサイです。
パフューマーの方なら上手いこと例える事が出来るのでしょうが、どう言えばいいのだろうか、白い花特有の香りで、ハニーサックルローズの香りに似ているんですよね。
曇天や霧雨の降る林の縁を歩いてこの香りに包まれると夏が来たと実感するのです。
秋は、葉が黄色に染まります。
奥多摩|エイザンスミレ
エイザンスミレの別名はエゾスミレ。
葉に特徴があり、スミレの葉のイメージからはちょっとかけ離れた切れ込みがあって、
水菜?みたいな感じ。
花の色は、淡いピンクに近い紫色〜赤みがかったピンクのもの。
ラインが濃かったり薄かったり、すごく色白だったりと、バラエティーに富んでいます。
しゃがんで目の位置を合わせたくなる美しさです。
キレイですよね。
奥多摩の低山ではそれはど珍しくなく4月中旬から5月中旬に見られます。
花期が終わっても、このおしゃれな葉っぱは残っています。
日陰の急斜面が好きみたいです。(あくまで私の印象)
この写真は奥多摩の鷹の巣山に登る途中で5月上旬に撮影したものです。
スミレの備忘録をしていたら、もう季節はずれのものも出てきてしまいました。
6月中旬でも、標高を上げると黄色いスミレ類など咲き始めのスミレもまだあるのですが。
しばらく、スミレはお休みにしようと思います。
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六万騎山|オオタチツボスミレ
4月中旬の写真で、新潟の南魚沼に咲いている、かわいいスミレの紹介をしている訳で今日はオオタチツボスミレ。
たぶんこの周辺に住んでいる方には、
”ふ~ん。珍しくないよ!このスミレ” と言われるのは承知です。
↓ スミレだけではなく、イワウチワやシュンランまで!
東京の桜が散った頃、こちらは見頃でした。
オオタチツボスミレ
唇弁のすじがちょっと複雑な網目状になっているのが、タチツボスミレと違うところです。
そして、赤みがかった薄紫色。
この写真だと、青みがかったほうの紫色に写っちゃっていますが。
そして、横顔です。
距が白いのも特徴です。
タチツボスミレのほうは、距が紫がかっているんです。
葉は、ハート形で、写真のうつりでわかりにくいですが、葉脈がへこんでいます。
早春の花を楽しんだ後のお楽しみ。
これが、魚沼の里の みんなの社員食堂 の定食。
めちゃくちゃ美味しいです。
これは、八海定食で1000円でした。
お肉とお魚から選べます。お魚の煮付けは、砂糖の代わりに甘酒使用。
お米はコシヒカリ。ご飯とお味噌汁のおかわり自由です!
ただ、お味噌汁は、右上の豚汁のような具沢山お肉入りではありません。
申し訳ないことに、確認不足の私が、社員の方用のお味噌汁の方に並んでしまって後から気がついたのです。この時は、全く罪悪感なしでした。
セットのお味噌汁はお豆腐だったと思います。
ちょっと散策の低山登りと美味しいランチ。
日本酒のお土産。
きっと四季を通して良い所だと思います。
また、行きたいなぁ。
特に、みんなの社員食堂。
六万騎山|スミレサイシン
トロロスミレとも呼ばれているスミレで、地下茎が太くなるのですりおろして食べる地方もあるそうです。
スミレは、すべて食べられると聞きますが、私は、食べた事はないです。
日本海側の雪の多い地帯に咲く代表的なスミレだそうです。
関東では、ナガバノスミレサイシンは見ますが、スミレサイシンは、全く見ないです。
新潟で初めて見ました。
葉っぱが特徴的で、ハート形をしていて、先が尖っています。
ちゃんと写ってないですね。
花は大きめでぽってりとした厚みのある無毛タイプ。
華やかさのあるスミレです。
4月の早い時期から5月。早く咲き始めるので、春になったらお早めにチェック!
魚沼の里もセットで行って欲しいです。
ランチの写真を探そうと思います。
六万騎山|ナガノハシスミレ
ナガノハシスミレをご紹介します。
またの名をテングスミレ。理由はこの長い距から来ているのは、想像どおり!
主には日本海側でしか見られないようなので、ナガノハシスミレを見ると、ここは新潟で日本海が近いことが感じられます。
こんな距の長いスミレは初めて見ました。
びっくりしました。
葉っぱの特徴がどうのこうのと識別に迷うことなく、わかりやすいタチツボスミレの仲間で、すぐにナガノハシスミレと同定出来ます。
六万騎山(320,7m)は、坂戸山(637m)とセットで4月中旬に登りました。
この標高でいろいろな山野草が見られるとは感激の山です。
それからここは、魚沼の里が近くて、午前中に山に登り、お昼前にはおいしい"みんなの社員食堂"でランチを食べるのも楽しみです。
珍しくランチの写真を撮ってあるのですが、見つからないです。
公式HPはこちら↓
ナガノハシスミレから、話が逸れてしまいました。